千手観音(せんじゅかんのん)、梵名ではサハスラブジャ・アーリヤ・アヴァローキテーシュヴァラといいます。 「サハスラブジャ」は「千の手」の意味で、ドゥルガーというヒンドゥー教の女神の異名でもあり、インドでヒンドゥー教の影響を受けて誕生した観音菩薩の変化身と言われています。
千本の手のそれぞれに目をもつとされることから「千手千眼」とも呼ばれます。 千本の手は、どのような衆生をも漏らさず救済しよういう観音の慈悲と力の広大さを表している。 観音菩薩が千の手を得た謂われとして、伽梵達摩訳『千手千眼觀世音菩薩廣大圓滿無礙大悲心陀羅尼經』がある。 この経の中に置かれた大悲心陀羅尼は現在でも中国や日本の禅宗寺院で読まれている。
興福寺の千手観音像